PMSとは月経前症候群と呼ばれ、日本産科婦人科学会では、
月経前３日～１０日の間に続く精神的あるいは身体的症状で、
月経開始とともに軽快ないし消失するものをいうと定義されています。
PMSの主な症状としては、
精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、
自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、
身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあるとされています。
その中でもとくに精神症状が強く日常生活に支障きたしている場合には
PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれています。
東洋医学で考えるとPMSであってもPMDDであっても基本は気の滞りであるため
ベースとして次のような疏肝剤を用います。
加味逍遙散、逍遥散、四逆散、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、柴胡疏肝散など
症状や程度によって使い分けます。
ただ精神症状が強い場合は、必ずといっていいほど血虚、いわゆる血が虚している状態があるので
疏肝剤とともに血を補う処方を用いる必要があります。
四物湯や帰脾湯、当帰芍薬散などがありますがいずれも血を補う効果としては弱いので
補血生薬がしっかりと配合された当帰養血膏などを併用するとよいでしょう。
それとともに日常生活では、少しでもストレスを軽減した環境を作ることが大切です。
頑張りすぎず思いつめすぎずリラックスした時間を心がけること。
外に出て気分転換したり体を動かしたりすると気が巡り体の緊張が和らぎます。
PMDDには抗うつ剤を一番にすすめられているサイトなどもありますが
漢方の服用で改善は十分可能ですので
まずは体に負担のない方法で試されるのがいいのではないかと思います。
貴文
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西３丁目５７番２０号ピアパレス王子１０１
問い合わせ：０６－６８１６－９６７７
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