


認知症は高齢化社会や核家族化が進むにつれ、とても切実な問題です。
ただ西洋医学では認知症を完治させる薬はないとされ、進行を遅らせる薬や生活の質を高めるといったお薬しかありません。
年老いた方の物忘れなどは老化であり病気ではありませんが、比較的若い50代後半から60代前半の方でも認知症と診断されているケースが増えている感じがします。
当店でも認知症のご相談はそう多くはありませんがおうかがいしています。
どこに行ったか覚えていない、どこに置いたのかわからない、ついさっきしたことを忘れるなどのご相談から、ずっと同じことを話している、軽い妄想がある、表情に乏しくあまり話さないといったご相談まで漢方薬で改善しています。
一般的に認知症に使われる漢方として抑肝散が有名です。
神経の興奮状態を鎮めたり心理状態を改善する効果があるとのことですが、当店ではあまり第一選択として用いることはありません。
健忘症状などには補気血メインの漢方を中心に、血流を良くしたり、時には抑肝散などの緊張を和らげる漢方を補助的に使います。
妄想のような強い症状になると、開竅薬のような漢方を量を多めに服用していただきます。
もちろん認知症の進行具合にもよりますが、程度の軽い場合や発症してからまだ期間がそんなに経っていない場合は漢方薬が有効だと感じています。
認知症の原因はまだわかっていない部分も多くありますが
慢性的に睡眠不足
常にストレスを感じる環境にある
家にこもりがちや運動不足で血流が悪い
などが当てはまる方は認知症になりやすい気がします。
早くねて体を動かしよく笑い毎日を楽しく過ごす、認知症を予防する一番の薬だと思います。
執筆者
井上 貴文
薬剤師、国際中医師、統合医療生殖学会学術理事
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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