漢方では皮膚は内臓の鏡と言われます。肌は肌表面だけでなく、体の内側にあると考えられてきました。例えば便秘をすると肌荒れするなど体の中の不調が肌に出ることはよくあります。皮膚の潤いや張り、弾力、色などは漢方で言うところの気血水、五臓、陰陽がかかわっています。
大人ニキビは思春期を過ぎた20代以降にでき、一度治っても同じ場所に繰り返しできたり、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスやホルモンバランスなど様々な要因がかかわっているため治りにくい事があります。
ニキビの種類
毛穴に皮脂がつまった状態。まだ炎症はありません。
毛穴につまった皮脂が表面にでてきて、空気にふれ酸化した状態。まだ炎症はありません。
白ニキビや黒ニキビが悪化して炎症が起きている状態。赤く盛り上がり痛みがあることもあります。
炎症が起きている赤ニキビが悪化し化膿して膿が溜まった状態でニキビ跡ができるおそれがあります。
漢方薬で
できること
体の中からニキビのできやすい体質を改善していきます。お一人お一人の体質や出ている症状にあわせて漢方薬をお選びします。漢方薬を服用していただきながら生活面も気を付けていただくことで改善のスピードが速くなります。
飲んでいただく漢方薬は、例えば、炎症が強い場合は熱を冷まし解毒する漢方薬、水分代謝が悪い場合は余分な水分を排出する漢方薬、ニキビの痕や色素の沈着がある場合は瘀血を取る漢方薬を組み合わせるなど状態によって変わってきます。そして、しっかり血が巡っている事が大切で、栄養が行き渡り老廃物を回収して肌を良い状態に整えます。
漢方薬が
おすすめの方
清上防風湯、排膿散及湯、桃核承気湯、荊芥連翹湯、荊防敗毒散、千金内托散、加味逍遙散、十味敗毒湯、黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、温清飲、補中益気湯、田七人参製剤など
シミやくすみのほとんどは皮膚に存在するメラノサイトがメラニンを過剰生成することでおこります。メラニンの生成の主な原因は紫外線や加齢ですが、それ以外にもストレス、ホルモンバランス、生活習慣などが関係しています。通常メラニンは肌のターンオーバーと共に排出されていくのですが、体のバランスが乱れいてるとメラニンが蓄積、沈着しやすくなります。
漢方薬で
できること
肌のシミ、くすみ、肝斑、目の下のクマは東洋医学では血が不足して肌が養われない、または血行不良で新陳代謝が悪いことが原因とされます。当帰などを含む漢方でしっかり血を補いながら血の滞りを解消する漢方薬を飲んでいくことが大切です。体に不調があったり、弱っている部分があればそれを整えることで皮膚の状態も改善していきます。例えば食欲不振・軟便気味の方が漢方を飲んで胃腸の調子が良くなると肌の乾燥やくすみが改善してきたり、末端冷え性の方が血流に良い漢方と飲み始めたところシミや目の下のクマが薄くなったりすることがあります。
漢方薬が
おすすめの方
当帰養血膠、婦宝三膠、桂枝茯苓丸、芎帰調血飲第一加減、通導散、還元清血飲、当帰芍薬散、四逆散、加味逍遙散、柴胡疎肝湯、胎盤エキス、田七製剤など。
TOP