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高刺激、ホルモン剤の長期使用による卵巣・子宮の疲弊

 

 

体外受精の採卵には大きく分けて低刺激法と高刺激法があります。

低刺激法とはクロミッド、セキソビット、フェマーラなどの経口排卵誘発剤を使って採卵する方法です。

採れる卵は2~3個で体への負担が少ない刺激法です。

高刺激法とはショート法、ロング法、アンタゴニスト法などがあり、

排卵誘発の注射を連続で使用し、できるだけたくさんの数の採卵を目指す方法です。

それぞれにメリット、デメリットはありますが、

ホルモン剤による体への負担が大きく出る方は低刺激法が良いのではないかと思います。

ホルモン剤を使用する際に、だるさ・吐き気・ふらつきなどの症状が強く出る方、

月経周期や経血の状態が著しく変わる方などは体への負担が大きく、

それにより返って良くない結果が出る場合もあります。

 

不妊治療のご相談をおうかがしていて最近気になるのが

高刺激、長期間によるホルモン剤の連続使用により

卵巣や子宮が大きく疲弊してしまうケースです。

ホルモン剤を苦も無く服用でき、いくつものホルモン剤を連続使用しても副作用が全く出ず、

あまり影響を受けないタイプの方に見られます。

ホルモン値もよくAMHもしっかりあり、体も比較的丈夫。

ただ高刺激による採卵や移植を長期間繰り返し、

ホルモン剤を使わない周期は1年以上(短い方では半年以上)なし。

今までは薬を連用しても全く問題なかったのが、

ある日突然ホルモン剤を使うと出血するようになってしまったり、

生理の出血が止まらなかったり、不正出血を起こしたり、

ホルモン剤を抜くと自力では排卵せず生理が来ないなど様々なケースがあります。

薬剤で体をコントロールすることを主な治療方針とし、

休む期間なくホルモン剤を使われ続けているとそのような状態になることがあります。

お薬に強かったがゆえに長期間頑張り続け、不幸にも体が弱ってしまったというケースです。

とくに30代後半から40代の方にみられます。

一度そのような状態に陥ると1周期休んだくらいではなかなか回復できなくなります。

 

私が思うところの名医と呼ばれる先生ほど休むという考えを取り入れられ、

お体の状態をよく診ていらっしゃる印象です。

休ませることで卵巣や子宮は回復し、連続して治療するよりもいい結果をもたらします。

人工授精でも体外受精でも休みを取り入れて臨まれることをおすすめします。

 

 

 

 

貴文

 

 

 

 

 

漢方薬局|大阪|柚花香房

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