ドクダミは古くから民間薬として広く知られている薬草です。肌のトラブルに使われる薬草として有名ですが、利尿作用、高血圧や便秘の改善、皮膚疾患への効果を期待して健康茶として飲まれています。
ドクダミ 「別名 十薬(ジュウヤク)、魚腥草(ギョセイソウ)」
ドクダミ科SaururaceaeのドクダミHouttuynia cordata Thunbの花期から果実期にかけての全草
性味 微寒、辛
帰経 肺、腎、膀胱
効能 清熱解毒、消癰、利水通淋
花は5,6月ごろに咲き,全体として白い花のように見えますが,実際の花は棒状の穂状花序(すいじょうかじょ、花が直接茎についている状態)に多数つく黄色い小花です。その下についている4枚の白い花びら状のものは総苞片(そうほうへん)とよばれる葉の変化したものです.一度庭や道端に生えると中々取り除くのが難しいほど生命力の強い薬草です。また、東南アジアの国では野菜として食べられてるところもあります。
ドクダミの名前の由来は諸説ありますが、「毒矯み」「毒を矯(た)める」からきているという説があります。
また、生薬名のジュウヤクは、十種の薬効があるということから「十薬」と理由付けされていますが、中国名の蕺菜(じゅうさい)からの転用とも言われています。
生のドクダミには特異な臭いがあり,中国名「魚腥草(魚のような生臭さのある草の意)」の由来となっています。
ドクダミの特異臭はアルデヒドの一種のデカノイールアセトアルデヒド decanoylacetaldehyde,ラウリールアルデヒド laurylaldehyde などが含まれているためですが,乾燥すると揮発しにおいはほとんどなくなります。デカノイールアセトアルデヒド、ラウリールアルデヒドは強力な抗菌作用があり、傷口の化膿止めや水虫に対する殺菌などに、生の葉をそのままあるいは葉から得た汁を塗布するなど、外用として利用すると有効とされています。また、フラボノイドのクエルシトリンには利尿作用があります。
一般用漢方処方では五物解毒散(十薬、金銀花、荊芥、大黄、川芎)に配合され、かゆみ、湿疹に使われます。
ドクダミは寒性で清熱解毒、利尿の作用があり、体が強く熱がこもっているタイプの人の便秘、皮膚疾患などの予防などに、お茶として飲まれています。ただ体を冷やす作用があるため、冷え性の方にはあまり向きません。
また、カリウムを多く含むため、腎機能の低下している方、高齢者の方は注意が必要です。
執筆者
井上 昌子
薬剤師、国際中医師、アロマセラピスト
漢方薬局 柚花香房
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