漢方薬は食前や食間に服用する方がいいと言われていますが
本当に食前・食後服用がいいのか?その理由は?
中国の漢方薬の教科書には、漢方の服用時間について下記のような記載があります。
「一般に食前の一時間前に服用する。胃腸を刺激する薬物は食後に服用する。
補益薬は空腹で服用する。マラリヤの治療薬は発病の二時間前に服用する。
安神薬は寝る前に服用する。急病は時間をとわず服用する。
慢性病は丸・散・膏・酒を定時に服用する。
その他は病状にあわせて、一日に数回服用する。
また、薬液を茶の代わりに随時服用する。
特別な方剤の服用として例えば、
鶏鳴散は夜明けに空腹で冷めた状態で飲むと効果がある。」
日本では病院で処方されている漢方でも市販の漢方でも
どれもが食前または食間に服用するとの記載がありますが、
漢方本来の服用方法は必ずしもそうではないのです。
吸収の面から考えて一般的には食前とされていますが
実際は漢方薬の種類と病状によってもう少し細かな服用方法があります。
年齢や体の状態によっても異なります。
当店では漢方薬の飲み方として
一般的には食前服用をおすすめしていますが
空腹時に飲むと胃に負担がかかる漢方、
例えば黄連解毒湯などの苦みのきつい漢方薬や
熟地黄が含まれている漢方薬(六味地黄丸など)は
胃腸の弱い方には食後服用をおすすめしています。
風邪薬系の漢方薬は、あやしいなと思ったらすぐに服用してもらっています。
あと考えておかなければいけないのが
食前服用だと多くの方が飲み忘れてしまうこと。
日本では食後に薬を服用する習慣が多いので
時間がない朝などはとくに忘れてしまうことが多いようです。
食後に服用したからと言って効果が著しく落ちてしまうといった漢方薬は少なく、
それよりも毎日忘れなく服用することの方が大切なので
食前だと忘れやすい方には食後でも大丈夫ですよとお伝えしています。
日本ではなんでもかんでも食前・食間服用と書かれていますが
漢方本来の飲み方とは少し異なっているように感じます。
貴文
漢方薬局 柚花香房
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