


年を取ってくると、手、足、腰、肩など様々な関節の痛みや痺れが出てきやすくなります。
一般的な膝痛、腰痛から脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニア、手根管症候群、四十肩、五十肩など。
色々な治療を行い、中には漢方薬も飲んでいるのになかなか痛みや痺れが良くならない方がいらっしゃいます。
当店でもしっかりと問診を行い、骨の漢方、血流を良くする漢方、風寒湿を取る漢方などを用いて、処方としてはバッチリあっているはずなのになかなか良くない、良くなってもすぐに悪化したりするケースがあります。
そういう場合は、気が影響しているケースがほとんどです。
どういうことかというと、長い間、痛みや痺れで悩んでいる方に多いのですが、
今日も一日痛いんじゃないか
痛いから何もできない、億劫だ
痛いから人生が楽しくない
など痛みによって極度に後ろ向きになり、痛みがストレスで強くなっている状態です。
ストレスがかかっている状態というのは、東洋医学で言うと気が滞っている状態です。
漢方では「気は行血する」という言葉があるように、血は、気の推動作用によって通行ができると考えられています。
ストレスにより気が滞ると、血も滞り血瘀となります。
すなわち神経の血流が悪くなり、痛みや痺れを引き起こします。
楽しいことをしているときや友人とお出かけしたりしている時は痛みや痺れを感じないのに、家でじっとしていたり痛みのことばかり考えたりすると悪化するというのはその典型です。
楽しく過ごせていると気も良く巡り、血流も良くなります。
後ろ向きに考えていると、気が滞り、血流も悪くなります。
そういう方はどうすればいいかというと、痛みにばかり固執せず、今の状態でできることをやり、毎日を楽しむことです。
緑の多いところをお散歩してもいいと思います。
そうすると、現在の体の状態に比べて不自然な強い痛みや痺れは起こらなくなります。
漢方薬局柚花香房でも、精神的な要素の強い方は、理気剤などストレスを和らげる漢方を追加することで劇的に良くなる場面を何度も見ています。
「病は気から」ほんとに本質を突いた言葉だと思います。
執筆者
井上 貴文
薬剤師、国際中医師、統合医療生殖学会学術理事
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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