漢方相談をおうかがいしていると、夕方になると様々な不調が出てくるという方がよくいらっしゃいます。
その中の一つの症状で、夕方になるとのどがつまりやすく感じるというものがあります。
夕方食事の準備をする頃や準備をしていざ食べるという段階になって、食事が喉を通らなくなるといった症状です。
昼間は症状はなく普通に食事もできますが夕方以降にしんどい症状がでてきます。
せっかく料理をしたのにあまり食べられないで終わってしまい、そうなるとなんだか気も滅入ってしまいます。
のどに何かつまっている感じがするが検査をしても異常がない、こういった症状を漢方では「梅核気」といいます。
東洋医学で梅核気(のどのつまり)の原因は
肝気の上逆 肝の疏泄が失調し、気が停滞する
痰凝気滞 脾の運化が失調して痰湿が生じ痰が凝滞するために気滞がおこる
肺熱陰虚 肺熱が津液を消耗して喉の潤いがなくなる
などがあります。
梅核気の治療で有名な漢方薬には半夏厚朴湯があります。
病院で出されて飲んだことのある方もいらっしゃると思います。
半夏厚朴湯は“半夏、厚朴、紫蘇葉、茯苓、生姜”からなります。
厚朴は食道、噴門の痙攣をゆるめる作用があり、半夏は痰を除く去痰作用のほかに咳をしずめたりする作用もあります。
紫蘇葉は気の流れをよくし、茯苓は利水作用があります。
生姜は他の生薬と協力して胃の働きを整えてくれます。
半夏厚朴湯だけで効く場合はよいのですが、単独では効果が出ない方もいらっしゃいます。
例えば、もともと胃腸が弱く気の不足しがちな方は、夕方になると気が不足して気が滞りやすくなります。
そういった方は半夏厚朴湯だけでは喉のつまりは改善しないことがあります。
そういう場合はつまりをとるには半夏厚朴湯に追加して、胃腸の働きを助ける漢方薬や水分代謝を良くする漢方薬などを併せて飲んだりすると効果が出やすいと思います。
のどのつまりの原因はいくつかあり、他の漢方薬の方が合っている場合もありますので、なかなか症状が改善しなくて困っている方はご相談下さいね。
執筆者
井上 昌子
薬剤師、国際中医師、アロマセラピスト
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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