不妊漢方治療Q&A21
Q.牡丹皮(ボタンピ)という生薬は妊活に良くないと聞きました。
牡丹皮が入っている漢方を飲んでも大丈夫ですか?
A.体の状態や漢方の種類によっては飲むことができます。
婦人科や不妊治療のクリニックで良くないと言われたり、
ホームページやブログなどに書かれたりしているようです。
牡丹皮には①清熱涼血②活血散瘀③清肝火という作用があります。
②の活血散瘀の作用ががあるので言われているのだと思います。
ただ妊娠中には慎重に用いる必要がありますが、
妊活中は漢方薬の種類次第ではそこまで気にする必要はないと思います。
牡丹皮を単品で大量に煎じて飲んだりするのはおすすめできませんが、
体に合った漢方薬に含まれているであれば大丈夫です。
そもそも不妊治療のクリニックでもよく処方されている温経湯には牡丹皮が入っていますし、
調経薬(生理周期を整える)として有名な加味逍遙散にも含まれています。
大切なことは体の状態に合っているかどうかということ。
さらに単品の生薬だけで判断せず、どのような生薬とどれくらいの量配合されているかが大事です。
生薬は配合具合によって漢方薬の効果や作用が変わります。
牡丹皮の他にも大黄、桃仁、芒硝、牛膝、附子、紅花といった生薬が
妊活中に使わない方がいいと書かれてあるのを見かけますがこれも状況次第です。
漢方は単品の成分だけで考えるのではなく、体全体、方剤全体をとらえる必要があります。
※質問に対する回答はあくまでも私の個人的な考え方で、
不妊治療専門クリニックのドクターや他の漢方の先生とは見解が異なる部分もあるかと思います。
その辺を踏まえご参考までにお読みください。
執筆者
井上 貴文
薬剤師、国際中医師、統合医療生殖学会学術理事
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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