当店に漢方相談に来られる方の中で、病院で半夏厚朴湯をもらって飲んでいたけど
あまり効果を感じなかったという声をちょこちょこ耳にします。
病院でよく処方されるツムラさんの半夏厚朴湯の効能には
「気分がふさいで、咽頭、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:
不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症」
と記載があります。
実際病院ではのどの異物感やうつ、不安症などで処方されていることが多いようです。
半夏厚朴湯は「金匱要略」には「夫人の咽中炙臠あるがごときは、半夏厚朴湯これを主る」
いわゆるのどの異物感を炙臠(あぶり肉)と表現され、
それには半夏厚朴湯が効果があると記されています。
半夏厚朴湯は東洋医学的には
「行気解欝、降逆化痰」、つまり滞った気を降ろし痰をとる作用があります。
なので喉の異物感やうつには効果があるとされているのですが
構成生薬は半夏、厚朴、茯苓、生姜、紫蘇葉と
理気作用としてはあまり強い生薬は入っていないので
うつや不安症は軽いものにしか効果がありません。
一番メインの喉の異物感にしても
様々な精神的なストレスを抱えている現代人にとって半夏厚朴湯だけでは弱く、
柴胡や芍薬などを含む疏肝理気剤を合わす必要があります。
半夏厚朴湯を使わずに疏肝理気剤だけの方が改善する場合も多々あります。
自然とともに暮らしストレスもそれほど複雑化していなかった大昔は
半夏厚朴湯でも十分効果があったのかもしれませんが、
現代社会には少し物足りない処方なのかもしれません。
貴文
漢方薬局 柚花香房
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