先日相談に来られた40代の女性の方のお話ですが
テレビで「しょうがが冷えにいい」とやっていたそうで
なんでもしょうがを蒸してスライスしてから天日干しにし、それをミキサーでパウダーにして飲んでいたそうです。
そうすることで温める力が増すんだとか。
毎日スプーンに1さじ飲んでいたそうです。
そうこうするうちに顔や首など体の上部が乾燥し赤くなっていき、
おまけに生理時の経血も少なくなったとのこと。
テレビのレシピのような乾燥しょうがは、生薬でいうところの乾姜(カンキョウ)に近いものと考えられます。
乾姜は生のしょうがに比べて温める力はもちろん強いのですが、辛熱燥烈の性質があり陰虚有熱には禁忌です。
わかりやすく言い換えると、
乾姜は体を強烈に温めて乾燥させてしまうので、体の潤いが少なく熱がある人には使ってはいけませんよ
ということです。
例えば更年期でほてったりする方が使うと大変なことになります。
こういう健康番組を見ている方は女性が多く、年齢層は40~60代くらいなんじゃないかなと思います。
女性は40代あたりから陰がどんどん減っていき、更年期を迎え年をとっていきます。
つまり、テレビを見ている層には乾姜は合わないということです。
漢方では乾姜単体で使う事はまずありません。
たいていの方剤には陰を保護する生薬が入っています。
テレビの健康番組はくいつきを良くしたいがために、「○○には○○」みたいな誰もが手軽にできる内容がほとんどです。
実際には体質別に体にいいものは違ってくるので
タイプ分けをして紹介しなければいけないのですが、その辺は全く無視。
視聴率優先のようです。
色々な健康法が紹介されていますがあまり鵜呑みにはしないほうがいいと思います。
貴文
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
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