胃下垂というと「食べても太らない」というイメージがあり、一見うらやましく思えるかもしれませんが、胃の消化力が低下し不快な症状に悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
胃下垂とは、胃が正常な位置より下に下がっている状態を指します。重症な場合は、骨盤の位置まで胃が下がることもある疾患です。バリウムを飲んでレントゲン検査をして胃が骨盤内へ下がっていると胃下垂と診断されます。西洋医学では病気として扱われない場合も多く何も症状がなければ治療する必要はありません。
胃下垂の方は胃壁の筋肉の緊張が緩み胃の動きが低下し、胃アトニーが起きるため、様々な症状を訴えることがあります。症状としてよくあるのが、
胃の膨満感、圧迫感、胸やけ、便秘、下痢、腹痛、食後の下腹部の腫れ、吐き気、ゲップ、少し食べただけで満腹になる、
などです。無症状の場合も多くあります。
体質的に胃を支える筋肉や脂肪がすくない方がなりやすく、女性に多いとされていています。経産婦の方、腹部の手術をした方、ダイエットで急激に痩せた方がなりやすいようです。痩せ型で背の高い人や食事が不規則な人、姿勢の悪い人やストレスがある方もなりやすいと言われています。
暴飲暴食をさけ、消化の良いもの摂る
1回量を少なくして回数を増やして食べるようにする
タンパク質をとるようにする
(消化の良い魚、脂身の少ない肉などがおすすめです)
よく噛んで食べる
ストレスをためないようにする
(軽い運動、ウオーキングなどおすすめです)
腹筋運動をする
(腹筋を鍛えることで腹部の筋肉を強化し、胃の位置を支えることができます)
猫背にならない様に,姿勢に気を付ける
(スマートフォンやパソコン作業の際は姿勢が悪くなりやすいので注意する)
胃下垂には胃腸の働きを良くする生薬が含まれている漢方薬を使い
出ている症状に合わせて下記のような方剤があります。
補中益気湯、半夏厚朴湯、延年半夏湯、香砂六君子湯、平胃散、苓桂朮甘湯、加味逍遙散
胃下垂で悩まれている、なかなか良くならない方は、一度漢方薬をお試し下さい。
執筆者
井上 昌子
薬剤師、国際中医師、アロマセラピスト
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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