煎じ薬は湯剤(とうざい)、煎剤(せんざい)とも言います。
最近はエキス剤(粉)のほうがポピュラーになってきましたが、漢方薬というと煎じ薬をイメージされる方も多いと思います。
煎じ薬とは、生薬を煮出だすことによってエキスを抽出し、その煮出した液を飲む薬です。
ひとつの漢方薬には何種類もの生薬が配合されておりそれらを合わせて煮出していきます。
たとえば補中益気湯は人参、白朮、黄耆、当帰、陳皮、大棗、柴胡、炙甘草、生姜、升麻など10種の生薬が入っています。
そしてその煮出した液を1日何回かに分けて服用します。
煎じ薬は煎じるわけですからもちろん時間がかかります。
土瓶で30~40分煎じます。
エキス剤に比べると手間がかかりますが、吸収も早く効果もすぐれています。
エキス剤では改善が見られなかったものが、煎じ薬に変えることで著しい効果を示すこともあります。
お体のバランスがひどく崩れていたり、難しいご病気である場合はこちらから煎じ薬をおすすめする場合もあります。
最近煎じ薬を処方される漢方薬局が少なくなってきています。
時間的な手間やにおいなどのためご自宅で薬を煎じるのは大変ですし、
エキス剤をご希望されることのほうが圧倒的に多いです。
また、先ほどご紹介した補中益気湯だけでも10種の生薬が入っており、薬局がかかえる生薬の在庫は数百にも及びます。
それに煎じ薬を販売するには薬局製剤の許可が必要で、事前に都道府県に申請しなければなりません。
様々な手間のかかる煎じ薬ではありますが、漢方の起源は薬草を煎じて飲んだことからはじまります。
異常気象や乱獲などで生薬原料の価格も高騰していますが
頑張って煎じ薬を続けていこうと思っています。
貴文
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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