漢方薬をがより効果が出るようにかつ安全に使用するためには、漢方薬の薬能を知ることが必要になります。
漢方薬の方剤には複数の生薬が入っており、それぞれの生薬の働きを理解して使うことが大切です。
例えば葛根湯を例にとってみると
葛根、麻黄、大棗、桂皮、芍薬、甘草、生姜
と7つの生薬で構成されており、それぞれの生薬を働きを理解していないと使い方を誤ってしまいます。
複数の漢方薬を合わせて飲む場合などは、特に重要です。
先日、体がだるい、毎日倦怠感があると60代の女性の方が相談に来られました。
お話を聞いてみると、その方は肩の痛みで病院から麻杏薏甘湯を1年以上出されていました。
麻杏薏甘湯には麻黄が入っています。
麻黄は発散作用が強く副作用の出やすい生薬で注意が必要なので、ただ漫然とずっと処方されていたそうです。
体のだるさは麻黄の長期連用からきている可能性があったので、麻杏薏甘湯を中止してもらい気を補う漢方をお渡ししました。
すると体も回復してきて、仕事をしてもあまり疲れることなく元気に過ごせるようになりました。
主治医の先生にも麻杏薏甘湯を止めることを伝えてもらったのですが、主治医の先生は「この漢方薬、麻黄が入ってたんや。そら長いこと飲んでたらあかんわ」と返答されたそうです。
つまり麻杏薏甘湯に麻黄が入っていることを知らなかったのです!!
実はこういった事例はよく聞きます。
漢方薬の名前だけ見て、中の生薬については全然知らない病院の先生は結構多いです。
なので患者さんが漢方薬をすでに飲んでいるにもかかわらず、それとは違う漢方やから大丈夫といって、中の生薬がかぶっている漢方を普通に出されたりします。
漢方薬は体にやさしいといえど、ちゃんと考えて服用しないと体に害を及ぼします。
最近、新規でクリニックを開業するとき、漢方内科も併せて書くのが流行らしいです。
漢方はちゃんとよくわかっている専門家のもとで服用しましょう。
執筆者
井上 貴文
薬剤師、国際中医師、統合医療生殖学会学術理事
漢方薬局 柚花香房
大阪府吹田市山田西3丁目57番20号ピアパレス王子101
問い合わせ:06-6816-9677
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