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不妊治療、保険適用のデメリット

 

 

 

4月から不妊治療の保険適用が始まりましたね。

現在不妊治療のクリニックはどこもとても混みあっているようです。

保険が適用され治療費が安くなるのは喜ばしいことですが

制度が始まって1か月、保険適用による治療の弊害がかなり出ているように思えます。

 

まずは不妊治療に使われていた薬剤が今まで通りに使えなくなったことです。

有名どころを上げるとバイアスピリン、ユベラ、ダクチル、ブロギノーバ、

タクロリムス、レルミナ、G-CSF製剤などです。

ダクチルは子宮が痙攣している方の移植時に使われていました。

タクロリムスは免疫の異常(Th1/Th2比が高い)場合の移植時、

G-CSF製剤などは内膜が全く厚くならない患者の移植時に

切り札的治療方法として使われていました。

保険での使用が認められている薬でも、

規定通りの使用方法と異なると保険から外されてしまうようです。

例えば排卵誘発のクロミッド、5日間服用したあと卵胞がまだ小さいので3日追加服用となると

それは保険適用から外れてしまい自費扱いになってしまいます。

 

受精卵の凍結についても細かく定義されているようです。

例えば高刺激で採卵を行った場合は受精卵は凍結できるのですが、

低刺激で採卵を行った場合は初期胚であれ胚盤胞であれ、

採卵した周期に移植しなければならないとされているようです。

複数個の受精卵ができた場合のみ凍結が可能とのこと。

これにはとても驚きました。

採卵時になかなか内膜が厚くならない場合、

ホルモン剤の影響を受けやすく凍結して体を整えた方がいい場合など

体を休ませる期間を設けられないことです。

色々なクリニックの不妊治療を見てきましたが

名医と呼ばれる先生ほど、有効に体を休ませることでいい結果を出されている印象を持っています。

 

不妊治療は患者さんによって体の状態が異なり

一人ひとりに合わせたきめ細やかな治療がとても大切です。

保険適応は金銭的に治療を受けることが難しかったご夫婦にはとても有効な策であり

早い年齢から妊娠を意識するという意味ではとてもいい制度かと思いますが、

適切な不妊治療を行わないと妊娠できない方にとっては

かえってマイナスになってしまう可能性があります。

今まで通りの不妊治療を行うには自費診療になってしまい、

保険適用に伴い従来の助成金がなくなってしまい、より金銭的な負担が大きくなってしまいます。

保険適応の一番の問題点は治療が標準化されてしまい、

標準化から少しでも外れると自費診療となってしまうこと。

不妊治療はまだ歴史の浅い学問で、わかっていないところも非常に多く

まだまだ発展途上の分野とも言えます。

2,3年前には当たり前だったことも新たな発見でがらっと変わってしまうようなこともあり

とても標準化できるような治療ではないのではないかと思います。

保険という制度は子宝を望むご夫婦にとって待ちに待った制度なので

もう少し幅の広い治療ができたり、自費と保険の混合診療が可能になれば

とても素晴らしい制度となると思います。

保険制度では大きな改変が行われた場合、

運用が始まってから後から修正が行われていくことが多いのですが

この素晴らしい制度がより良いものとなるよう願ってやみません。

 

 

 

貴文

 

 

 

 

漢方薬局|大阪|柚花香房

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