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慢性疲労症候群と漢方治療

 

 

 

最近、慢性疲労症候群と診断されご相談に来られる方が増えてきました。

 

慢性疲労症候群は厚生労働省の定義では、

慢性疲労症候群(CFS)と診断されるには、確定診断に結びつくような検査異常は同定されておらず、

大クライテリアに記載されている、

①生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返すこと

②慢性疲労の原因と考えられるような疾病を除外すること

の2項目を満たすことが必須であり、小クライテリアとして症状クライテリアの8項目を満たすか、

症状クライテリア6項目と身体所見クライテリア2項目を満たす必要があるとされています。

 

東洋医学では、検査値になどに異常がなくても四診(望診、切診、聞診、問診)から体の状態を見極め、

今なぜその症状が起こっているのかを考えます。

そのため検査等で異常がない症状についても治療することが可能となります。

 

 

慢性疲労症候群の原因として考えられるのは

 

①気虚

気の不足、つまり体を動かしているエネルギーの不足です。

そのような場合、気を補う漢方が必要となります。

病院などでは補中益気湯が処方されますが、

どの部分の気がどの程度不足しているかによって用いる漢方薬は異なります。

補中益気湯、玉屏風散、人参湯、六君子湯、啓脾湯、黄耆建中湯など様々です。

 

②血虚

血の不足です。ヘモグロビンやフェリチンの値だけではなく、血全体の不足です。

四物湯や当帰芍薬散、血とともに気も不足している場合は十全大補湯や帰脾湯、婦宝当帰膠などが用いられます。

はなはだしい場合には動物生薬を用いたものがおすすめです。

 

③腎虚

「腎」とは先天の本と言われ、生命力の源とも称されるほど根本の臓器です。

体質的に弱い方、また過労、睡眠不足により腎虚がすすんだ場合などに起こります。

八味地黄丸、六味地黄丸、牛車腎気丸などを用いますが、

よりすすんだ場合は参茸補血丸、亀鹿二仙膠など動物生薬を用いた強いものが必要となります。

大事なポイントは陰陽の区別です。

 

④痰湿

体に不要な水がたくさんたまり重くなっている状態です。

天気の悪い時などに倦怠感が強くでます。

テレビ、雑誌などを中心に水の過剰摂取という誤った健康法が広まり、体調を崩された方も結構見られます。

水はけをよくする漢方薬も猪苓湯、防已黄耆湯、五苓散など色々あります。

 

⑤気滞

気が滞った状態。言い換えると体にストレスがかかった状態です。

ストレスの多い現代社会では、気滞の状態にある方は非常に多いです。

気を巡らせる漢方薬としては柴胡疏肝散、四逆散、加味逍遥散、抑肝散加陳皮半夏などがあります。

あと気滞がすすみ自律神経のバランスが崩れ免疫異常を起こしている場合などもみられます。

そういう場合は免疫の異常を修正する植物の培地由来のエキスを用いることもあります。

 

たいていの方の状態は原因が複合しており、複数の漢方薬が必要となります。

一般的にはむつかしい疾患と考えられていますが、東洋医学がとても力を発揮する疾患ではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

貴文

 

 

 

 

 

 

 

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